大動脈弁上狭窄を伴わないウィリアムズ症候群における僧帽弁閉鎖不全



高木 寿人, 森 義雄, 岩田 尚, 梅田 幸生, 福本 行臣, 松野 幸博, Matsutomo M, 下川 邦泰, 西垣 和彦, 藤原 久義, 広瀬 一
岐阜大学医学部第一外科教室
40 Tsukasa, Gifu 500-8705, Japan. h-takagi@cc.gifu-u.ac.jp
Heart Vessels 2002 Sep;16(6):257-9

大動脈弁上狭窄を伴わないが僧帽弁閉鎖不全の孤発はウィリアムズ症候群では珍しい。ウィリアムズ症候群で僧帽弁閉鎖不全孤発が見られた症例を報告する。心エコーとカラードップラー検査の結果、前葉逸脱を原因とする重度の閉鎖不全が認められ、left ventriculogram(左心室の?)はグレードWの閉鎖不全だった。左心室と上行大動脈の間には圧力低下は見られなかった。誕生直後から僧帽弁閉鎖不全であることがわかっており、生後の発育不良・子どものころに精神遅滞・変わった性格・特徴ある顔貌などがあることから小児科医はウィリアムズ症候群ではないかと疑っていた。当院に入院した後、FISH法を使った核型検査の結果、7q11.23の半接合欠失が発見されて診断が確定した。患者は僧帽弁交換術を受け、切り取られた弁を顕微鏡検査した結果、粘液腫変性していたことが判明した。

(2002年10月)



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