ウィリアムズ症候群における門脈高血圧:二人の患者に関する報告



Portal hypertension in Williams syndrome: Report of two patients.

Casanelles Mdel C, Gil-Fernandez JJ, Casero LF, Bengoechea MG, Serrano R, Ranada JM, Jurado LA.
Genetics Unit, Department of Experimental Sciences, Universitat Pompeu Fabra, Barcelona, Spain.
Am J Med Genet 2003 May 1;118A(4):372-6

ウィリアムズ症候群は、多臓器に症状が現れ、特徴的な顔貌・独特な認知と性格プロファイルを持つ精神障害・循環器系の狭窄・発育遅延・時に乳児高カルシウム血症を伴う発達障害病であり、染色体7q11.23領域に存在する遺伝子の片側欠失が原因である。エラスチン遺伝子(ELN)の片側欠失によって動脈の狭窄が発生することが判明していること以外、遺伝子と表現型の関連はわかっていない。門脈高血圧によって脾臓肥大と汎血球減少症を引き起こした二人の患者について報告する。両名ともウィリアムズ症候群領域に共通的に見られる1.5Mbの欠失を有している。我々は、本症例がエラスチン欠失による新しい重症循環器系合併症であり、この門脈系静脈経路に関する特徴を議論することで、エラスチン遺伝子の欠失が静脈部分に及ぼす影響を説明できると考えている。この合併症は致命的になる可能性があるので、全てのウィリアムズ症候群患者に対して脾臓肥大の合併を考慮すべきである。

(2003年4月)



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