孤発性肺動脈弁上狭窄を呈するウィリアムズ症候群新生児
Neonatal Williams Syndrome Presenting as an Isolated Supravalvular Pulmonary Stenosis.
Di Gioia CR, Ciallella C, D'Amati G, Parroni E, Nardone AM, Gallo P.
Department of Experimental Medicine and Pathology (Drs di Gioia, d'Amati, and Gallo) and the Institute of Forensic Medicine (Drs Ciallella and Parroni), University La Sapienza, Rome, Italy; and the Medical Genetic Service, Department of Laboratory Medicine, Tor Vergata University Hospital, Rome, Italy (Dr Nardone).
Arch Pathol Lab Med. 2003 Sep;127(9):E367-E370.
顔貌は正常でウィリアムズ症候群に併発することが多い心外性異常が認められなかった乳児から、出生時の心エコーの結果肺動脈弁上狭窄と肺動脈弁の形成不全が発見された。3ヶ月時点で臨床的再評価を行う予定であったが、その女児が2ヵ月になったときに自宅で突然死した。死体解剖の結果、両心室が肥大しており弁は形成異常だった。大血管の血管壁は一様に「洗い晒した皮革」のような状態で肥厚していたが、個々の場所に狭窄は見られなかった。弾力腺維症や弾力腺維層の極度の錯綜配列によって大血管の内面は組織学的にモザイク状を呈しており、死後に大動脈弁上狭窄との診断が下された。同時にウィリアムズ症候群の疑いが持たれ、続いて行われたFISH検査により確定診断が出された。新生児のウィリアムズ症候群患者では、孤発性肺動脈弁上狭窄は見られるが、大動脈弁上狭窄は生後2,3ヶ月しないと臨床的に認められない可能性があることを小児科医や病理学者は認識すべきである。
(2003年8月)
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