初めてウィリアムズ症候群の疑いがあると診断された一卵性男児双生児の重度動脈弁狭窄
Severely calcified valvular aortic stenosis firstly diagnosed in monozygotic male twins with suspected williams-beuren syndrome.
Yetkin U, Bal F, Bayata S, Gurbuz A.
Department of Cardiovascular Surgery, Izmir Ataturk Education and Research Hospital.
ウィリアムズ症候群は発生頻度が低く通常は孤発性に発生する遺伝子異常で、発生率は1:25,000と見積もられている。また、第7染色体上の欠失にエラスチン遺伝子座が含まれていたことを原因とする心臓欠陥がある。一卵性男児双生児に運動誘発性失神がみられた。心エコー検査の結果、両例に大動脈弁部位、僧帽弁小葉前部(mitral anterior leaflets)や僧帽弁輪(mitral annuli)の石灰化がみられた。一例には心室間中隔基部にも石灰化がみられた。ドップラー検査の結果から、両例とも最大圧較差112〜118mmHgに及ぶ重度の大動脈狭窄がみられた。中程度の僧帽弁狭窄も双子の片方にみられた。大動脈弁を人工弁に交換する手術を行い、Nick方法を用いた動脈輪(aortic annulus)拡張を実施し、文献を参考に診断内容や療育方法を評価した。結果として、小児期に診断を受けた最初の一覧性双生児であることを確認した。
(2004年12月)
目次に戻る