ウィリアムズ症候群における下行胸部大動脈と腹大動脈の形成不全



Hypoplasia of the descending thoracic and abdominal aorta in Williams-Beuren syndrome

Romer GS, Weishaupt D, Koppensteiner R.
Abteilung Angiologie, Departement Innere Medizin, Universitatsspital Zurich, Schweiz.
Vasa. 2005 May;34(2):131-5.

下行胸部大動脈と腹大動脈の形成不全は希少な症状であり、その病因はあまりわかっていない。先天的、後天的両方の疾患が報告されている。本論文ではウィリアムズ症候群と下行胸部大動脈と腹大動脈を併発した24歳の女性患者の事例を報告する。この希少症候群は7番染色体上にあるエラスチン遺伝子を含む複数の遺伝子の欠失が原因であり、循環器系疾患・顔異形症・精神遅滞などを特徴とする。患者は幼少時から重度の高血圧と反復性の腹痛を経験している。複断層撮影(duplex−sonography)と核磁気共鳴欠陥造影法によって診断を行った。下行大動脈と腎下方大動脈(infrarenal aorta)を腹部動脈と腎動脈の再挿入によって結ぶ大動脈間バイパスを作成する治療を受けた。この疾患は長期にわたる重度の高血圧によって罹患率と死亡率が高くなることを認識すべきである。

(2005年7月)



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