ウィリアムズ症候群の小児患者における麻酔下の心臓停止:症例報告



Cardiac arrest under anesthesia in a pediatric patient with Williams syndrome: a case report.

Bragg K, Fedel GM, DiProsperis A.
Children's Hospital of Pittsburgh, PA, USA. Braggka@anes.upmc.edu
AANA J. 2005 Aug;73(4):287-93.

片側の睾丸固定術と前もって装着された鼓膜形成チューブ評価用の麻酔時に3歳の男児に連続して心臓停止が発生した。この男児の病暦には、高カルシウム血症と軽度の大動脈弁上狭窄を伴うウィリアムズ症候群が含まれる。最初の心臓停止には深刻な徐脈と同時に発生する顕著なST波の変化、低血圧、2度の完全な救急蘇生を必要とする無脈電気活動(pulseless electrical activity)が含まれていた。患者は救急処置としてICUに移送(手術は中止)され、次の朝には心臓カテーテルの実施が計画された。同患者はカテーテル検査中にも何度か心臓停止を起こし、体外膜による酸素付加を行うカニューレ挿入を行った後、直ちに緊急心臓手術を行うために手術室に搬送された。ウィリアムズ症候群患者の場合、手術の前に心臓カテーテルや心電図・心エコーなどを含む徹底的な精密検査を行うことで死亡率や罹患率を下げられる可能性がある。しかし、この病気の場合には心臓カテーテルはリスクを高めることにつながる。

(2005年8月)



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