ウィリアムス症候群の心血管病変  − 僧帽弁逸脱の合併 −



高室 基樹1)、富田 英、池田 和男、安喰 弘2)、千葉 峻三
札幌医科大学医学部小児科学教室
2) 札幌医科大学医学部第二外科学教室
1) 北海道立小児総合保健センター小児科
小児科臨床 50(3) 通号578;459-463(1997年3月)

ウィリアムス症候群の10例についてドップラーエコー法を行い、その心血管病変について検討した。また、9例に染色体検査を、6例に心臓カテーテル検査を、2例にMRIを行った。大動脈弁上狭窄を全例に、末梢性肺動脈狭窄を3例に、逆流を伴う僧帽弁逸脱を2例に認めた。その他の病変として、動脈管開存、大動脈弁逆流、大動脈弁狭窄をそれぞれ1例に認めた。大動脈弁上狭窄、僧帽弁逸脱の頻度は従来の報告と大差はないが、末梢性肺動脈狭窄については頻度にばらつきがみられた。僧帽弁逸脱は10〜20%に合併しており、本症候群を疑った際、念頭に置くべきであり、また逆流の進行についても注意をはらうべきであると考えられた。

(2006年3月)



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