心室頻拍、左冠動脈瘤を合併したWilliams症候群の一例



福田 良昭・金 眞宇・寺倉 守之・長谷川耕太郎・山川 健・内山 博英・斎藤 雅彦・石川 康朗・西村 昌雄
上尾中央総合病院循環器科
Circulation Journal、Vol 67 Suppl.2、 771ページ 2003年4月

症例53歳男性。精神発達遅滞、先天性弁膜症といわれていた。平成12年4月心房細動、うっ血性心不全にて近院入院、以降外来加療中であった。平成14年6月4日同院受診時の心電図検査中にめまいを生じ、心室頻拍が記録され、60秒程度で停止した。6月6日精査加療目的にて当院転院となった。身体所見では小顎症、小妖精様顔貌を認め、第3肋間胸骨左縁Levein3/6駆出性雑音聴取した。冠動脈造影上、左冠動脈主幹部に冠動脈瘤を、大動脈造影上、大動脈弁上狭窄を認めた。心臓電気生理学検査では持続性心室頻拍は誘発されなかった。以上より、Williams症候群が疑われたため、Fish法による染色体診断を施行し、染色体7番長腕に部分欠失を認め、Williams症候群と確定した。文献的にはWilliams症候群に心室頻拍の合併はないので報告する。

(2006年7月)



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