顕性WPW症候群を合併したWilliams症候群の1例



(金沢大学大学院医学系研究科)油谷 伊佐央・三田村 康仁・大倉 誓一郎・薄井 荘一郎・村井 久純・古荘 浩司・丸山 美知郎・高村 雅之・阪上 学・金子 周一
(金沢大学保健学科)高田 重男
(半田内科医院)小川 純
Circulation Journal Vol69, Suppl U、768ページ(2005年)

症例は20歳男性。生後2週で一度心肺停止を生じ脳性麻痺となった。3ヶ月時、心不全を呈し、心臓カテーテル検査上、大動脈・肺動脈の低形成、肺動脈弁上狭窄を指摘された。H16年4月頻拍発作のため当科紹介・入院。精神遅滞、筋拘縮を認め、また妖精様顔貌を呈していた。洞調律時の心電図にδ波を認めWPW症候群と診断。心エコー上、MR(V°)を伴う僧帽弁前尖の逸脱と著名な左房拡大を認めた。電気生理学的検査上、右心耳近傍に副伝導路の存在が疑われ、頻回に偽性心室頻拍を生じたが、焼灼は困難であった。基礎疾患としてWilliams症候群の存在を疑い染色体検査を行ったところ、第7染色体上のelastin遺伝子欠失を認め、Williams症候群と診断した。WPW症候群を合併したWilliams症候群の報告はこれまでになく、貴重な症例と考え報告した。

(2006年10月)



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