大動脈、大動脈弁のhomograft、僧帽弁置換術5年後に死亡したウィリアムス症候群の剖検所見



梶原 賢太、岡本 光師、末田 隆、橋本 正樹、槙田 祐子、山崎 純江、岩本 明倫、新谷由美子
広島県立広島病院 循環器内科
Journal of Cardiology 第48巻 増刊号1 554ページ(2006年)

症例は21歳男性。ウイリアムス症候群の大動脈弁上狭窄に対し1991年にPTAを施行し、圧較差130mmhgから70mmhgに改善していた。2000年に発熱にて入院中に血液培養からStreptococcus sanguisが検出され、大動脈、僧帽弁にvegetationを認め、感染性心内膜炎と診断した。他院にてBentall術(同種の血管、大動脈弁を移植)、僧帽弁置換術(機械弁)施行されるが、術後にくも膜下出血発症し、気管切開し、在宅酸素療法、経管栄養始まる。2004年12月9日に発熱認め、呼吸状態悪化し入院した。心エコーでは大動脈弁の高度狭窄、石灰化を認め、左室心筋の著明な肥大と下大動脈の拡張を認めた。感染は治療抵抗性で、2005年1月8日に死亡した。剖検では両心室筋肥大を認め、大動脈弁は石灰化が高度に進み、弁の可動性はほとんど認めなかった。左肺は隔壁形成を伴う胸膜炎のために膿肺となっていたが化膿性炎症細胞反応は軽度に留まっていた。両肺は気管支肺炎の他、右肺は心不全によるうっ血とあわせ、急性肺胞障害所見を認め、死因に繋がったと考えられた。

結語:大動脈、大動脈弁、僧帽弁置換術後のウイリアムス症候群の剖検例を経験した。若年者におけるhomograftの置換は変性の進行が早いことから、その適応が問題になると考えられる。

(2006年12月)

−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−=−

下記文献にもほぼ同じ内容で掲載されている。

(2007年1月)
Circulation Journal 第70巻 増刊号V 1158ページ(2006年)



目次に戻る