アジア人ウィリアムズ症候群の同齢集団における肺動脈および大動脈狭窄の予後
Outcome of pulmonary and aortic stenosis in Williams-Beuren syndrome in an Asian cohort.
Wang CC, Hwu WL, Wu ET, Lu F, Wang JK, Wu MH.
Department of Pediatrics, National Taiwan University Hospital and College of Medicine, National Taiwan University, Taipei, Taiwan.
Acta Paediatr. 2007 Jun;96(6):906-9.
目的:
アジア人ウィリアムズ症候群の同齢集団における循環器系異常と長期予後を規定する。
方法:
1995年から2005年の間にFISH法で確定診断を受けた患者の遡及的カルテ調査からデータを得た。全患者が3から9ヵ月に一回の心エコー検査を受けていた。10人の患者はカテーテル検査を受けた。
結果:
合計で134患者年(平均72ヵ月)のフォローアップを行った21人の患者について記載する。特徴的な顔貌異型特徴が19人(n=19、90%)にみられた。一人を除いて循環器異常がみられる。これは先天的心疾患患者の0.3%(20/6640)に相当する。循環器異常の種類は、大動脈弁上狭窄(SVAS) (n = 15, 71%)、末梢肺動脈狭窄(PPS) (n = 12, 57%)、肺動脈弁狭窄(PS) (n = 10, 47%)、僧帽弁逸脱(MVP) (n = 9,43%)、大動脈縮窄(n = 4, 19%)、 心室中隔欠損 (n = 2,10%)、心房中隔欠損(n = 1, 5%)であった。大動脈弁上狭窄と末梢肺動脈狭窄あるいは肺動脈弁狭窄の合併は14人(70%)にみられた。肺動脈弁狭窄の治療でバルーン拡張手術を享けた患者は一人だけで、術後快方に向かった。狭窄の悪化は大動脈弁上狭窄、肺動脈弁狭窄、末梢肺動脈狭窄のそれぞれ10年間で31%、90%、71%であった。
結果:
我々が診察したウィリアムズ症候群の患者では大動脈弁上狭窄、肺動脈弁狭窄、末梢肺動脈狭窄が共通的に見られ、病変の進行の可能性は特に右側が高い。
(2007年6月)
目次に戻る