ウイリアムス症候群の腎臓障害の実状と広がり



Incidence and spectrum of renal abnormalities in Williams-Beuren syndrome.

Pankau R; Partsch CJ; Winter M; Gosch A; Wessel A
Department of Pediatrics, University of Kiel, Germany.
Am J Med Genet (UNITED STATES) May 3 1996, 63 (1) p301-4, ISSN 0148-7299
Languages: ENGLISH
Document type: JOURNAL ARTICLE

ウイリアムス症候群の患者(平均年齢 5.5才の女児 59人と、6.4才の男児71人)130人 の腎臓と泌尿器系について、超音波造影装置を使った組織的な検査が行われた。さらに、 血清中のクレアチニンが測定され分析された。クレアチニンク・リアランスが79人で確認 された。腎臓血管造影検査が18人に対して実施され、そのうちの8人(44%)に腎動脈の狭 窄が見られた。 ウイリアムス症候群の泌尿器系の異常発生は17.7%に達した。通常の発生 率は 1.5% 程度である(P < 0.0003)。 これらの異常は、腎臓憩室症ような軽微なものか ら腎臓異形成や腎臓形成不全のような重篤な奇形(130人中5人)までの広がりがある。9 人には重複腎臓が見られた。クレアチニン・クリアランスの減少(2人)、再発傾向の泌尿 器系感染症(4人)、高血圧は共通的ではなかった。腎石灰化症は、調査した患者の中には 発見されなかった。調査結果からは、ウイリアムス症候群の腎臓や泌尿器系の組織的異常 の発生リスクは、正常な人に比べて12から36倍高くなる。ウイリアムス症候群の患者 に対しては、最初に行われる検査の一つとして泌尿器系の超音波検査を取り入れるべきで ある。

(1997年11月)

目次に戻る