超音波検査による子供の腎石灰化の程度判定の信頼性に関する観察



Observer reliability in grading nephrocalcinosis on ultrasound examinations in children.

Dick PT, Shuckett BM, Tang B, Daneman A, Kooh SW
Paediatric Research Outcomes Team, Division of Paediatric Medicine, The Hospital for Sick Children, University of Toronto 555 University Avenue,Toronto, Ontario M5G 1X8, Canada
Pediatr Radiol 1999 Jan 7;29(1):68-72

背景:
腎石灰化(nephrocalcinosis)はさまざまなタイプの高カルシウム血症的症状に付随す ることが多い。子供の腎石灰化の検査には超音波診断がよく用いられるが、その信頼 性に関しては明らかではない。
目的:
腎石灰化の程度を示す「スケール」として、専門家による音波写真の読解の信頼性を 評価する。合併症として腎石灰化を持つことが知られているウィリアムズ症候群や他 の疾患を持つ30人の子供達から取られた58枚の超音波写真が評価された。評価者 内及び評価者間の信頼性を評価するために、盲検法を用いた。
結果:
調査の結果、グレードI,II,IIIの腎石灰化がそれぞれ13%、19%、27%記録された。 評価者内一致の重みつきカッパ係数(weighted kappa coefficient)は0.80(標準偏差 0.12、 95%の信頼区間は0.68-0.92)であり、評価者間一致のそれは0.76(標準偏差 0.13、 95%の信頼区間は0.63-0.89)であった。フィルムに写った程度に関わらず、検査と次の 検査の間の評価の信頼性は、評価者内及び評価間の信頼性に関して、重み無しカッパ 係数(unweighted kappa coefficient)が0.68(95%の信頼区間は0.38-0.96)と0.51(95% の信頼区間は0.21-0.80)であり、公正である。
結論:
超音波診断によるスケールによって高い信頼度で腎石灰化の程度が計れることが示さ れた。
(1999年1月)



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