20人のウィリアムズ症候群患者における腎臓および泌尿器に関する所見
Renal and urinary findings in 20 patients with Williams-Beuren syndrome diagnosed by fluorescence in situ hybridization (FISH).
Sugayama SM, Koch VH, Furusawa EA, Leone C, Kim CA.
Department of Pediatrics, Hospital das Clinicas, Faculty of Medicine, University of Sao Paulo, Sao Paulo, SP, Brazil.
Rev Hosp Clin Fac Med Sao Paulo. 2004;59(5):266-272. Epub 2004 Oct 29.
目的:
ウィリアムズ症候群は多発性異常と精神遅滞を呈する稀少な症候群であり、染色体7q11.23領域にある一連の遺伝子の欠失が原因である。本研究の目的は20人のウィリアムズ症候群患者における腎臓および尿路における異常の種類と頻度を調査することである。
方法:
LSI製ウィリアムズ症候群領域DNAプローブを用いたFISH検査を行い、20人のウィリアムズ症候群患者の確定診断を行った。腎臓機能・腎臓および尿路の超音波検査・膀胱尿道造影と尿力学を含む検査測定を行い、腎臓と泌尿器の状況を事前調査した。
結果:
エラスチン遺伝子の欠失(FISH検査陽性)は患者20人中17人にみられた。腎臓の変質が欠失があった患者17人中5人(29%)、欠失がなかった患者3人中1人にみられた。欠失があった患者のうち14人に排尿機能障害があった。動脈性高血圧は欠失がある患者にうち3人にみられ、そのうち1人は腎動脈に両側性狭窄がみられた。
結果:
ウィリアムズ症候群には腎臓および泌尿器の異常が高頻度でみつかることから、患者には系統的な検査や断層撮影による評価を行うことを薦める。
(2004年11月)
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