同一患者における腎形成不全/発育不全、ウィリアムズ症候群と非ホジキンリンパ腫:偶然に同時発生したのか?



Renal dysplasia/hypoplasia, Williams Syndrome phenotype and non-Hodgkin lymphoma in the same patient: only a coincidence?

Urisarri-Ruiz de Cortazar A, Calvo MG, Donsion MV, Iraola GA, Sanchez JM.
Paediatric Oncology and Haematology Service, University Clinical Hospital, Santiago de Compostela, Spain, adelaurisarri@yahoo.es.
Pediatr Nephrol. 2008 Dec 9. [Epub ahead of print]

先天的腎臓異常、ウィリアムズ症候群と非ホジキンリンパ腫それぞれは個別に起こり発生頻度は低いので、同一患者に同時に発生するのは例外的である。この3種類の症状を合併した患者例を報告する。この子どもは男児であり、ウィリアムズ症候群の表現型をもち、両側性の腎形成不全/発育不全による重度の慢性腎臓病と診断されている。身長が低いため、成長ホルモン治療を受けていた。腎臓病が最終段階に進んだため8ヵ月後に腎臓移植を受けた。手術中にリンパ節腫大の疑いのある箇所の切除も行い、術後にプレドニゾン、アザチオプリン、シクロスポリンを使った免疫抑制治療を開始した。T細胞リンパ芽球性リンパ腫と診断されてから8年が、化学療法を開始してから6年がそれぞれ経過した現在、患者は移植された腎臓が機能していて、完全に寛解状態にある。我々はこの疾病の連合についての説明を試みた。化学療法は移植された腎臓の生着度合いに影響を及ぼしているようにはみえず、実際に、免疫寛容を誘導している可能性がある。

(2008年12月)



目次に戻る