ウィリアムズ症候群の子どもの泌尿器兆候に対するオキシブチニンの効果
The Effects of Oxybutynin on Urinary Symptoms in Children with Williams-Beuren Syndrome.
Sammour ZM, Gomes CM, Bessa JD Jr, Pinheiro MS, Kim CA, Honjo RS, Trigo-Rocha FE, Bruschini H, Srougi M.
Division of Urology and Genetics Unit of the Children's Institute, University of Sao Paulo School of Medicine, Sao Paulo, Brazil.
J Urol. 2012 May 15. [Epub ahead of print]
目的:
ウィリアムズ症候群は染色体7q11.23における連続遺伝子欠失半接合を減とする遺伝子疾患である。下部尿路症状がウィリアムズ症候群の子どもに共通的にみられる。しかし、この疾患グループの症状管理に関するデータはほとんどない。ウィリアムズ症候群の子どもの泌尿器兆候に対するオキシブチニンを使用した治療効果を報告する。
薬剤と方法:
我々は前向きに、12週にわたり非盲検研究による尿力学検査で診断された排尿筋過活動が原因となって顕著な下部尿路症状とウィリアムズ症候群を併発する42人の患者を調査した。泌尿器科検査には、兆候評価、下部尿路症状が生活の質に及ぼす影響、尿料と回数のグラフ、尿力学と泌尿器超音波検査が含まれる。一日3回にわけてオキシブチニンを0.6 mg/kg投与する治療を12週間経過した後、患者の治療効果と副作用を調べた。
結果:
合計で女児17人、男児19人が治療を完了して12週目に評価を受けた。患者の平均年齢は9.2歳±4.3歳(3歳〜18歳)である。最も共通してみられる徴候は切迫性であり、患者31人(86.1%)にみられ、続いて切迫性尿失禁が29人(80.5%)にみられた。基準線に比べて泌尿器科兆候は大幅に改善された。蓄尿症状が生活の質に及ぼす悪影響は平均3.3±標準偏差1.7から0.5 ± 0.9 (p <0.001)に減少した。最大尿流は平均14.2±標準偏差15.0ml/sから20.5 ± 6.4 ml/s (p <0.001)に改善した。
結論:
日量0.6 mg/kgのオキシブチニンを投与する合計12週間の治療は、大部分のウィリアムズ症候群患者の下部尿路症状、生活の質、最大尿流率を改善した。
(2012年5月)
目次に戻る