高カルシウム血症と軽度腎機能障害の合併がみられたWilliams症候群の1例



牛嶌 克実、樋口 真知子、伊藤 翠、竹下 覚、渡津 めぐみ、小出 若登、牧 兼正、坂 京子

四日市市立四日市病院小児科
日本小児腎不全学会雑誌(1341−5875)32巻 Page 276−277(2012.07)

1歳1ヵ月男児。高カルシウム血症および発達遅滞を主訴に精査入院となった。心エコーでは高カルシウム血症の鑑別疾患として明らかな異常所見は認められなかったが、鼻根部扁平や厚い唇や小頭など、やや特異な顔貌がみられた。一方、FISH検査を行った結果、7番染色体長腕(7q11.23)の欠失が認められ、Williams症候群と確定診断された。以後、全身状態良好で、補液のみで経過観察したところ、いったんは高カルシウム血症は改善傾向となった。しかし、その後は憎悪し、食事のカルシウム制限を行ったところ、高カルシウム血症は改善したため、入院10日目に退院となった。尚、入院後の血清Cr値は0.3〜0.4mg/dlとやや高めで推移し、軽度の腎機能障害の合併があると考えられた。

 (2013年6月)



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