ウィリアムズ症候群の子どもにおける先天的泌尿器異常
Congenital genitourinary abnormalities in children with Williams-Beuren syndrome.
Sammour ZM,Gomes CM,de Bessa J Jr,Pinheiro MS,Kim CA,Hisano M,Bruschini H,Srougi M
Division of Urology, University of Sao Paulo School of Medicine, Sao Paulo, Brazil.
J Pediatr Urol. 2014 Feb 13. pii: S1477-5131(14)00043-6.
目的:
ウィリアムズ症候群は染色体7q11.23領域の遺伝子欠失を原因とする常染色体優性疾患である。ウィリアムズ症候群の患者は発達遅滞、循環器異常、精神遅滞、特徴的な顔貌など一連の特徴を通常は示す。腹壁の欠陥、外生殖器異常、尿路の構造的異常などはほとんど評価されていないため、本研究で注目した。
対象と方法:
平均年齢8.8±4.1歳(範囲は3−19歳)のウィリアムズ症候群を有する41人の男児と38人の女児に対して前向き評価を行った。患者全員が鼠径ヘルニアと臍ヘルニア、生殖器異常の検査を受けた。患者全員に尿路の超音波検査、排尿時の膀胱尿道造影、ジメルカプトコハク酸による腎臓シンチグラフィー(DMSA scan)を含む放射線検査を提供した。
結果:
男児41人中、30人(73.1%)に身体的検査で異常が見られた。そこには両側性停留睾丸13人(31.7%)、退縮性睾丸が4人(9.7%)、尿道下裂が4人(9.7%)、片側性停留睾丸3人(7.3%)の患者が含まれる。女児38人中、17人(44.7%)になんらかの異常がみられ、臍ヘルニアが11人(28.9%)、片側性鼠径ヘルニアが4人(10.5%)、両側性鼠径ヘルニアが3人(7.8%)であった。尿路放射線検査異常が患者41人(51.9%)で見られた。超音波検査では6人(7.6%)の患者に片側性水腎症、3人(3.8%)に重複集合尿細管系(duplicated collecting system)、2人(5.5%)に両側性腎瘢痕化がみられた。膀胱尿道造影結果は56人の患者から得られ、そのうち27人(48.2%)に膀胱憩室症、18人(32.1%)に膀胱壁肉柱形成、3人(5.3%)に膀胱尿管逆流症がみられた。泌尿器系異常と循環器系異常との関連性はみつからなかった。
結論:
ウィリアムズ症候群の患者は腹壁の異常、外生殖器異常、尿路の異常の有病率が高く、この疾患を有する患者群には適切な身体検査と放射線検査を行うことの重要性を強調しておく。
(2014年3月)
目次に戻る