ウィリアムズ症候群における複数の膀胱憩室:症例報告



Multiple bladder diverticula with Williams-Beuren syndrome: a case report.

Chen J(1), Mao J(2), Ye L(1), Zong D(1), Qiao X(1).
Author information:
(1)Department of Nephrology, Ningbo Women and Children's Hospital, Ningbo, China.
(2)Department of Nephrology, Children's Hospital, Zhejiang University School of Medicine, Hangzhou, China.
Transl Pediatr. 2020 Dec;9(6):863-866. doi: 10.21037/tp-20-311.

ウィリアムズ症候群は、染色体7q11.23領域の遺伝子欠失によって引き起こされる常染色体優性遺伝疾患である。ウィリアムズ症候群患者は通常、発達遅延、循環器異常、精神遅滞、特徴的な顔貌などの一連の特徴を示す。発生率は出生に対して1:7,500の割合で発生し、男女差はない。最近の研究は、ウィリアムズ症候群患者には下部尿路症状も頻繁に発生していたことを示している。しかし、子どものウィリアムズ症候群患者の主要な症状として非単一症候性夜尿症が報告された研究は非常に稀である。ウィリアムズ症候群の主な症状として、非単一症候性夜尿症および複数の膀胱憩室を有する子どもの症例を報告する。7.6歳の女児が頻尿、尿意逼迫、夜尿症が4年間継続したため当院に入院し、尿路のBモード超音波診断を行った結果、複数の膀胱憩室が明らかになった。患者はウィリアムズ症候群のエラスチン遺伝子を含む7q11.23欠失を有することが判明した。ウィリアムズ症候群患者の複数の膀胱憩室の存在は、多くの下部尿路症状につながる可能性がある。複数の膀胱憩室を有するウィリアムズ症候群患者における下部尿路症状の治療情報が不足している。下部尿路症状はウィリアムズ症候群の臨床診断を行う際の重要な指標として考慮されるべきであり、患者の生活の質に重大な悪影響を及ぼす。

(2021年2月)



目次に戻る