ウィリアムズ症候群と頭蓋骨早期癒合症患者に発生した乳児性痙縮
Infantile spasms in a patient with williams syndrome and craniosynostosis.
森本 昌史, An B, Ogami A, Shin N, Sugino Y, 澤井 康子, 宇宿 智裕, 田中 政幸, 平井 清, 西村 陽, 長谷川 功, 杉本 徹.
京都府立医科大学小児科学教室
Epilepsia. 2003 Nov;44(11):1459-62.
頭蓋骨早期癒合症と乳児性痙縮を伴ったウィリアムズ症候群患者の報告を行う。患者は生後6ヶ月で乳児性痙縮と頭蓋骨早期癒合症を呈し、頭蓋骨癒合症治療を目的とした手術を受け、乳児性痙縮に対しては副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)投与による治療を行った。副腎皮質刺激ホルモンによりてんかん発作は完全に制御できたが、脳室肥大(ventricular hypertrophy)が進行するに伴って停止した。てんかん発作が再発し、先天的心臓障害に加えて、妖精様顔貌・成長不全・発達遅滞・歯牙形成不全などがある。高精度染色体分析によって7q11.22-q11.23にある間質欠失が明らかになった。これにより彼は臨床的にも細胞遺伝学的にもウィリアムズ症候群と診断された。甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)療法によりてんかん発作が軽減し、循環器系の副作用がないEEGの発現が改善された。さらに、精神運動発達も若干の改善が見られた。
(2003年11月)
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