横隔膜ヘルニアと半椎体による側彎症を合併したWilliams症候群の1例
古市照人(獨協医科大学 リハビリテーション科学), 渋谷健一郎, 鈴木大雅, 大山輝男, 近内弘人, 吉田健哉
治療学(0386-8109)36巻8号 Page885-888(2002.08)
在胎38週5日,女。子宮内成長遅滞で経過観察中,胎児仮死疑いのため,緊急帝王切開術で出生した。右横隔膜ヘルニアと,第10胸椎の左半椎体による左側湾症が認められた。甲状腺機能低下と高カルシウム血症があり,心臓超音波検査で中等度の大動脈弁上狭窄と両側末梢性肺動脈狭窄と診断した。胸部CTで右胸腔腎も指摘された。右横隔膜ヘルニア門閉鎖術を施行した。甲状腺機能低下症に対して甲状腺剤の使用を開始した。染色体検査でWilliams症候群と診断し,在宅酸素療法を導入して自宅退院となった。生後3年2ヵ月,発達遅延は明らかで,外来小児運動発達機能訓練は継続している。
(2004年1月)
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