小児母集団とウィリアムズ症候群におけるC-1位置の単独頸部脊柱管狭窄症
Isolated cervical spinal canal stenosis at C-1 in the pediatric population and in Williams syndrome.
Desai SK, Vadivelu S, Patel AJ, Brayton A, Jea A.
The Paul Randall Harrington Neuro-Spine Program and.
J Neurosurg Spine. 2013 Mar 29. [Epub ahead of print]
目的:
環椎(C-1)レベルの単独頸部脊柱管狭窄症は小児における頸部脊柱症の原因としてはめずらしい。この症状は先天性脊柱異型性、ダウン症候群、クリッペル・ファイル症候群などいくつかの遺伝子疾患に合併する。本研究の目的は文献をレビューし、著者が経験した4例の小児の症例に焦点をあて、さらにこの症状がウィリアムズ症候群に合併した新しい症例を報告することである。
手法:
テキサスこども病院で環椎の症候性形成不全に関する治療を受けた4人の患者の治療記録とX線画像を遡及的にレビューした。関連する患者の人口動態データ、臨床症状、画像に関する知見、手術の成果が記録された。文献を詳しく調べることで、著者が経験した4症例を文献に記載された手術例と比較することが可能になった。
結果:
収集された症例には男児11人女児1人が含まれていた。患者の平均年齢は7歳(範囲は13カ月から14歳まで)であり、記載されるまでに症状が出ていた期間は6か月(範囲は0から36か月)であった。収集された症例では、環椎レベルにおいて歯状突起がある後部側面からC-1アーチの全部側面にむけて測定した脊柱管の平均矢状径は11.9mm(範囲は8.3から16mm)であった。環椎の形成不全を伴う新たな小児2症例では、この症状がウィリアムズ症候群に合併していたが、これまでには報告されていない。収集された症例では、平均18か月(範囲は3から50か月)間経過観察が行われた。C-1の椎弓切除術によって手術を受けたすべての患者において神経症状の改善が見られた。
結論:
環椎レベルの単独頸部脊柱管狭窄症は頸部脊柱症の原因としては珍しい。著者らは本報告が、特に小児において頸部脊柱症の兆候や症状の原因を探す場合の原因の一つとして臨床医の参考になることを期待する。
(2013年4月)
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