地域照会センターで治療を行ったウィリアムズ症候群患者における脊柱側弯症の有病率
Prevalence of scoliosis in Williams-Beuren syndrome patients treated at a regional reference center.
Damasceno ML(1), Cristante AF(2), Marcon RM(2), de Barros Filho TE(3).
Author information:
(1)Department of Orthopaedics and Traumatology, Spine Surgery Division, Hospital das Clinicas, Faculdade de Medicina, Universidade de Sao Paulo (IOT-HCFMUSP), Sao Paulo, SP, Brazil.
(2)Instituto de Ortopedia e Traumatologia, Spine Division, Hospital das Clinicas, Faculdade de Medicina, Universidade de Sao Paulo (IOT-HCFMUSP), Sao Paulo, SP, Brazil.
(3)Instituto de Ortopedia e Traumatologia, Departamento de Ortopedia e Traumatologia, Disciplina de Ortopedia Geral, Grupo de Oncologia Ortopedica, Hospital das Clinicas, Faculdade de Medicina, Universidade de Sao Paulo (IOT-HCFMUSP), Sao Paulo, SP, Brazil.
Clinics (Sao Paulo). 2014 Jul;69(7):452-6.
目的:
本研究ではウィリアムズ症候群患者における脊柱側弯症の有病率と脊柱側弯カーブのパターンの評価を行う。ウィリアムズ症候群は染色体7q11.23領域の欠失を原因とし、その欠失には、そのほぼ中央に位置してエラスチンをエンコードする遺伝子をなど28個の遺伝子が含まれている。エラスチン遺伝子の突然変異によって、様々な程度の神経発達障害、特徴的な顔貌、循環器系の異常、高カルシウム血症、泌尿器系の機能不全、骨や関節の機能不全などの表現型変化が現れる。
手法:
ウィリアムズ症候群と診断され、大規模地域照会センターの遺伝外来センターで経過観察を行った合計41人の患者が研究に参加した。男性患者は25人だった。患者を診察し、 コブ角(Cobb angle=弯曲の大きさ)を測定するためにX線写真検査を実施した。
結果:
14人の患者で脊柱側弯症が認められた。14人中男性は10人であった。若年の患者の奇形のパターンは柔軟性があり単純なカーブであったが、成人の場合は2重、あるいは3重のカーブを示した。統計分析の結果、脊柱側弯症は年齢や性別とは相関はなかった。
結論:
本研究の結果、ウィリアムズ症候群患者における脊柱側弯症の有病率は34.1%であるが、年齢や性別は脊柱側弯症の発症、あるいはカーブの重症度とは有意な相関はない。
(2014年9月)
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