ウィリアムズ症候群患者における骨中のミネラル状態と代謝
Bone mineral status and metabolism in patients with Williams-Beuren syndrome.
Stagi S(1), Manoni C(1), Scalini P(1), Chiarelli F(2), Verrotti A(3), Cecchi C(1), Lapi E(4), Giglio S(4), Romano S(4), de Martino M(1).
Author information:
(1)Department of Health Sciences, University of Florence, Anna Meyer Children's University Hospital, Florence, Italy.
(2)Department of Paediatrics, University of Chieti, Chieti, Italy.
(3)Department of Paediatrics, University of L'Aquila, L'Aquila, Italy.
(4)Genetics and Molecular Medicine Unit, Anna Meyer Children's University Hospital, Florence; Italy.
Hormones (Athens). 2016 Jul 11. doi: 10.14310/horm.2002.1683. [Epub ahead of print]
目的:ウィリアムズ症候群の患者コホート集団における骨中のミネラル状態と代謝の評価
患者:ウィリアムズ症候群の31人の子ども(女児15人、男児16人、平均年齢9.6±2.74歳)と10人の若い成人(女性6人、男性4人、平均年齢21.4±5.11歳)に対して横断的な評価を行い、年齢と性別と体格を一致させた健康な小児(対象者155人、女児75人、男児80人、平均年齢9.7±2.93歳)と健康な成人(対象者50人、女性30人、男性20人、平均年22.3±5.42歳)の2種類の対照群と比較した。
測定:イオン化カルシウムと総カルシウム、リン酸塩、副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone (PTH))、25-ヒドロキシビタミンD、1,25-ジヒドロキシビタミンD、オステオカルシン、骨アルカリフォスファターゼのレベル、尿中デオキシピリジノリン濃度を測定した。さらに、指節骨の振幅依存音速(amplitude-dependent speed of sound(AD-SoS))と骨伝導時間のz値(the bone transmission time (BTT) z-scores)を計算した。
結果:ウィリアムズ症候群患者は対照群と比較してAD-SoSのz値(p <0.001)とBTTのz値(p <0.001) が有意に低くかった。この知見はサンプルを小児と成人に分割しても変わらなかった。ウィリアムズ症候群患者は対照群と比較して、イオン化カルシウム(p <0.001)と総カルシウム(p <0.001)のレベルが有意に高いとともに、PTHのレベル(p <0.001)も有意に高かった。さらに、ウィリアムズ症候群の子供や青年は対照群と比較して血清オステオカルシンのレベル(p <0.001)も有意に低く、尿中デオキシピリジノリン濃度も有意に低かった。
結論:ウィリアムズ症候群被験者は骨中のミネラル状態が有意に減少しているとともに、骨代謝に異常がある。この発見はウィリアムズ症候群患者に対する頻繁なモニタリングが必要なことを示している。
(2016年7月)
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