ウィリアムズ症候群の子どもにおける過剰腰肋骨と移行椎の発生頻度が高いことに関する初めての報告
First description of frequent occurrence of supernumerary lumbar ribs and transitional vertebrae in children with Williams-Beuren syndrome.
Schmitz A(1), Reutershahn E(2), Seiffert P(2), Das M(3).
Author information:
(1)Klinik fur Diagnostische und Interventionelle Radiologie, Helios Klinikum Duisburg, DieselstraBe 185, 47166, Duisburg, Germany. Annette.Schmitz@helios-gesundheit.de.
(2)Klinik fur Kinder und Jugendliche/Perinatalzentrum, Helios Klinikum Duisburg, Dieselstra?e 185, 47166, Duisburg, Germany.
(3)Klinik fur Diagnostische und Interventionelle Radiologie, Helios Klinikum Duisburg, Dieselstra?e 185, 47166, Duisburg, Germany.
Pediatr Radiol. 2022 Aug 31. doi: 10.1007/s00247-022-05493-6. Online ahead of print.
背景:ウィリアムズ症候群は希少全身系遺伝子疾患であり、出生7500人に1人の発生率である。この疾患の子どもたちは脊柱側弯症を合併することが多いため、定期的に脊柱のX線検査を受ける。この検査を通じて、多くの子どもたちが第一腰椎から過剰腰肋骨が生じており、その多くが腰仙移行椎を合併していることを我々は観察した。
目的:ウィリアムズ症候群の子どもにおける過剰腰肋骨と移行椎の発生頻度を記述し、母集団におけるそれらの発生頻度と比較する。我々の仮説は、これらの所見は共通的であるが、ウィリアムズ症候群に関してはこれまで文献に記載されていないことである。
材料と手法:2015年1月から2021年10月までの間に、我々の病院で308人(男性138人)のウィリアムズ症候群患者が治療を受けた。そのうち、106人(男性47人)が、主として脊柱側弯症の疑いで画像診断を受けた。88人の患者が脊柱全体のパノラマX線撮影を受診し、18人は胸部のX線撮影、CT、MRIや蛍光透視法を受けた。肋骨と椎骨の数に注目して遡及的に画像を分析した。過剰腰肋骨と移行椎の発生頻度の相関を計算して、文献に掲載されている母集団と比較した。
結果:不鮮明な画像を除外したのち、91人の患者の画像を分析した。患者67人(73.6%)は13本の肋骨があり、そのうちの85%は両側に、9%は右側に、6%は左側に存在した。過剰腰肋骨のある患者67人のうち、38人(57%)は移行椎も有していた。
結論:過剰腰肋骨は第一腰椎から生起し、腰仙移行椎を伴うことが多く、これはウィリアムズ症候群の子どもでは共通的にみられる。
(2022年9月)
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