不正こう合と健康保険
ウイリアムスの子供は噛み合わせが悪い(不正こう合)ことがあるようです。紘輔も、
歯並びが悪い上に永久歯が生えてこない場所があり、もう少し大きくなったら、歯列矯正を受
けたほうがいいと言われています。実際、歯列矯正を長い間受けておられるウイリアムスの青
年もおられます。生えてこない永久歯の数が多いと、完全に矯正するためにはアゴの骨を削る
ことが必要になることがあるようです。ご存じのように、日本では歯列矯正に健康保険が適用
されず、100万円以上の費用がかかる事も珍しくありません。ウイリアムス症候群の影響で、
噛み合わせが悪いのであれば、程度にもよりますが、健康保険が適用されるべきだと思います。
できるものならば、何とかしたいと思いませんか。
海外の状況が知りたいと思い、メーリングリスト宛に質問を出してみました。アメリカと
オーストラリアの状況がわかりました。
[アメリカ]
- 健康保険は民営で、いろいろな種類のものが出されています。
- 一般的な健康保険では、大きな病院での虫歯治療等は保険が適用されますが歯列矯
正は対象外です。
- 歯列矯正を含んだ保険もあります。その場合は、矯正するために特別の理由はいら
ないようです。歯列矯正は予防処置として意味があるというように解釈されていま
す。一年当たり、最高500から1000ドルが保険から支払われますが、かかっ
た費用の半分程度しか戻ってこないようです。
[オーストラリア]
- 日本と同じような、給与天引き(2%程度)で政府が運営する健康保険制度があり
ますが、歯科治療はまったく対象外だそうです。また、この保険を使う場合は、病
院や医者を選ぶ事が出来ない上、入院待ちが1年以上にもなるそうです。
- 公営保険の足りない部分を補うために、民間の健康保険があり、半数程度の人がこ
の保険にも入っているそうです。この民間保険の中には、歯列矯正を保険の対象に
するものもあるようです。
- ある民間保険は、一家族当たり年間2000ドル程度費用がかかるそうです。
- 上下の歯科矯正の一例として、費用は3500ドル程度かかり、保険から600ド
ルが支払われたそうです。
「ウイリアムス症候群には、歯列矯正を保険対象とすることに関して特別の措置がある」 とい
うような返事を期待していましたが、そのようなことはないようです。
(1997年3月)
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