Williams症候群児の歯科学的所見



第17回 日本障害者歯科学会学術大会
平成12年10月14日(土) 15日(日)
山内孝司1)・池田正一2)・花岡新八1)・高市武1)・田中英一1)・小木曽周1)・土田和彦1)・ 東俊雄1)・谷光明1)・中島健一郎1)・大崎住江1)
中野区歯科医師会スマイル歯科診療所 1)、 神奈川県立こども医療センター一歯科 2)

Williams症候群は7番染色体上にある遺伝子の欠落がこの疾患の病因であると考えられて いる。この疾患の特徴は、高頻度で先天的心疾患があり、視覚、聴覚、循環器、筋・骨格に も多くの問題がある。身体的には特有な顔貌、体形を呈し、口腔領域の特徴としては、口 唇や頬粘膜が厚く、舌の突出やエナメル形成不全、歯牙形態異常、先天欠如歯等が報告さ れているが、本邦では未だ多くはなされていない。今回我々はWilliams症候群の歯科的管 理を経験する機会を得たので報告する。

【症例】

患児 :
7歳11ヶ月女児
初診時年齢 :
5歳9ヶ月
主訴 :
右下顎臼歯部の歯肉の疼痛
既往歴 :
出生は満期正常分娩である。1歳時に大動脈弁上狭窄症と診断され、その際に染 色体検査を受け、Williams症候群と診断された。6歳8ヶ月時に、精査した結果、大 動脈弁はS状湾曲していて、正常の範囲であると診断された。その他特記すべき内科 的既往歴はなく、定期的に精神発達相談を受け、現在に至っている。
家族歴 :
両親共、健康であり、14歳の姉がいるが、健常児である。
現症 :
精神発達遅滞があり、長い人中、厚く翻転した口唇、眼間狭小などの疾患特有の顔 貌やモーター音などの高音に対する聴覚過敏が認められた。口腔内所見では、歯冠幅 径は全歯について標準より小さく、歯列弓の形態は上下顎共に不調和が見られた。X 線写真から、歯の先天欠如歯、歯根短小が認められた。
(2000年10月)



目次に戻る