Williams症候群児の口腔内管理



八十島華子、井出正道、朝田芳信
鶴見大・歯・小児歯
小児歯科学雑誌(0583-1199)40巻2号 Page411(2002.04)

Williams症候群(以下、WSと略す)は成長障害、精神遅滞、妖精様顔貌、人なつっこい性格、大動脈弁上狭窄をはじめとする心血管系奇形の異常を伴う先天奇形症候群である。発生頻度は2万人に1人と稀でありそのほとんどが孤発例であるが、親子例の報告も見られることから本疾患は染色体優性遺伝病とされている。近年、WSはエラスチン遺伝子とその近傍の遺伝子欠損による隣接症候群であることが報告され、臨床症状のみでWSを診断することは困難であることから遺伝子診断により確定診断が行われている。身体的特徴についての報告はみられるが、口腔内所見ならびに歯科学的管理に関する報告は極めて少ない。今回我々はWSを有する初診時年齢4歳7か月の男児の症例を経験したので、口腔内所見ならびに歯科治療の経過について報告する。

(2004年5月)

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上述論文と同じタイトルで同じ内容と思われる症例報告が掲載されていました。

(2005年11月)

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西野華子, 井出正道, 朝田芳信
鶴見大学 歯学部小児歯科学教室
小児歯科学雑誌(0583-1199)41巻5号 Page912-917(2003.12)

4歳男で,軽度の精神発達遅滞,妖精様顔貌,低身長,低体重,歩行障害などが認められた.口腔内所見は齲蝕歯を多数認めたが,エナメル形成不全は明らかでなく,高口蓋も認めず,咬合状態は前歯部反対咬合であった.パノラマX線写真からは永久前歯の形態・位置異常が疑われた.歯科的処置は4ヵ月の間に7回の齲蝕治療をレストレイナー下で行った.治療開始当初は泣く,体動があるなど協力状態不良であったが,回数を重ねるごとに歯科的環境を受け入れるようになった.治療終了後は定期診査を行っており,口腔清掃状態に改善がみられている



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