ウィリアムズ症候群の子どもに対する歯科治療における医学的考慮点



Medical considerations in dental treatment of children with Williams syndrome.

Moskovitz M, Brener D, Faibis S, Peretz B.
Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod. 2005 May;99(5):573-80

ウィリアムズ症候群は1961年に記述された希少病である。第7染色体長腕にある7q11.23部位の微小欠失が原因であると考えられており民族に依存せず先天的に多臓器に障害が発生する。先天性循環器異常・精神遅滞・神経的徴候・発育不良・泌尿生殖器系症状・胃腸及び筋骨格系の問題・行動的特徴・頭蓋顔面特徴・眼科的症状・歯科的問題などを含む発達的・身体的異常が特徴である。イスラエルのエルサレムにあるハダッサー歯科大学の小児歯科学科で治療を行ったウィリアムズ症候群の子ども達について報告する。この子ども達に施された様々な治療について述べたあと、これらの治療や評論文献から抽出された一般的な所見を記述する。低年齢の子どものグループに対しては、最低限の歯科治療に関して不安や非協力的な行動を抑えるために鎮静(sedation)が有効であった。全身麻酔下における治療は年長の子どもや成人に対して実施するほうが適切であろう。これらの患者に対する初期評価には細心の注意が必要である。特に年齢とともに大動脈狭窄が進行する傾向があり、腎臓疾患の進行とあいまって血圧の上昇を加速する可能性がある。

(2005年4月)



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