ウィリアムズ症候群の口腔顔面に関する知見と歯科管理
OROFACIAL FINDINGS AND DENTAL MANAGEMENT OF WILLIAMS SYNDROME.
Cogulu D, Hazan F, Dindaroglu FC.
Genet Couns. 2015;26(4):437-42.
ウィリアムズ症候群は発達障害および身体的異常を特徴とする微小欠失症候群である。本研究の目的はウィリアムズ症候群患者の口腔異常と歯科管理を評価することである。本研究では3歳から20歳のウィリアムズ症候群患者15人を調査した。患者ひとりひとりの口腔顔面に関する知見、歯垢指数、DMFT/dmftスコアを記録した。全患者の歯科パノラマX線写真、口腔外及び口腔内写真を撮影した。本研究の結果、DMFTおよびdmftスコアの平均はそれぞれ0.39±0.12と1.81±0.39であった。観察された中で最も共通する口腔顔面に関する知見は、高口蓋(87%)、正中離開(60%)、成長障害(60%)、摂食障害(60%)、嘔吐(47%)、 巨舌症(47%)、小歯症(40%)、小帯肥大(40%)である。すべてのう蝕歯はコンポマー(光重合型グラスアイオノマー樹脂) や複合修復材を使って治療してあった。結論として歯科医は歯科的異常を防止あるいは最小化することによってウィリアムズ症候群患者の生活の質を向上させることに重要な役割を果たしている。
訳者注:DMFT 永久歯列のう蝕罹歯の本数。
(2016年2月)
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