症候群に合併するエナメル上皮腫:系統的再評価



Ameloblastoma associated with syndromes: A systematic review.

Atarbashi-Moghadam S(1), Atarbashi-Moghadam F(2), Sijanivandi S(3), Mokhtari S(4).
Author information:
(1)Department of Oral and Maxillofacial Pathology, Dental School of Shahid Beheshti University of Medical Sciences, Tehran, Iran.
(2)Department of Periodontics, 1st floor, Dental School of Shahid Beheshti University of Medical Sciences, Daneshjoo Blvd, Evin, Chamran HWY, Tehran, Iran. Electronic address: dr.f.attarbashi@gmail.com.
(3)Research center, Dental School Shahid Beheshti University of Medical Sciences, Tehran, Iran.
(4)Education Development Office, School of dentistry, Tehran University of Medical Sciences, Tehran, Iran.
J Stomatol Oral Maxillofac Surg. 2019 Jul 20. pii: S2468-7855(19)30175-2. doi: 10.1016/j.jormas.2019.07.010. [Epub ahead of print]

歯原性病変はいくつかの症候群で記述されている。さまざまな症候群に合併したエナメル上皮腫の症例報告が複数存在しているにもかかわらず、エナメル上皮腫が診断基準に加えられた症候群はない。このことから、本系統的再評価の目的はそのような症例報告を集めることである。PubMedの中央データベースに対してシステム検索を行った。検索条件は、1975年1月から2018年末までに英語で出版された論文で、ヒトに対する研究(症例報告と症例一覧)の全文を対象とした。無関係な論文や不適切な情報を含む論文は対象から排除した。合併した症候群、患者の年齢と性別、病変部位、X線所見、治療様式を集めて分析した。エナメル上皮腫はゴーリン症候群(Gorlin)(6例)、表皮母斑症候群(epidermal nevus)(2例)、ガードナー症候群(Gardner)(2例)、シンプソン・ゴラビ・ベーメル症候群(Simpson-Golabi-Behmel)(1例)、ウィリアムズ症候群(1例)に合併していた。最も好発する症候群はゴーリン症候群(50%)であり上顎骨や女性に偏りがある。表皮母斑症候群の2例はどちらも女性であり、下顎骨に発生していた。エナメル上皮腫病変が診断基準の一つとなっている症候群においては、エナメル芽細胞の変異を除外すべきである。エナメル上皮腫とこれらの症候群の間の因果関係は明かになっていないが、いかなる関連情報であろうと、病変形成を理解し、この腫瘍の本質を理解する手助けになる可能性がある。

(2019年8月)



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