9人のウィリアムズ症候群患者の口腔所見:症例シリーズ
Oral manifestations of nine individuals with Williams syndrome. A case series.
Vavetsi K(1), Panagopoulou O(2), Koromantzos P(3), Fryssira Η(4), Bobetsis SA(5), Emmanouil D(6), Bobetsis YA(3).
Author information:
(1)Dental Sciences, School of Dentistry, National and Kapodistrian University of Athens, Athens, Greece.
(2)Paediatric Dentist, Private Practice, Greece.
(3)Department of Periodontology, National and Kapodistrian University of Athens, Athens, Greece.
(4)Department of Medical Genetics, National and Kapodistrian University of Athens, Athens, Greece.
(5)Orthodontist, Private Practice, Greece.
(6)National and Kapodistrian University of Athens, Athens, Greece.
Spec Care Dentist. 2023 May 27. doi: 10.1111/scd.12881. Online ahead of print.
目的:ウィリアムズ症候群は先天性発達疾患であり、主として特有の顔貌、循環器異常、成長遅滞、典型的な神経行動プロフィールを特徴とする。口腔所見についてはこれまで十分な報告が無いため、本研究の目的は、ウィリアムズ症候群患者の、臨床、X線検査、微生物学などの発見を報告する。
手法と結果:平均年齢21歳の9人のウィリアムズ症候群患者(女性7名)の症例シリーズを評価した。完全な口腔内臨床検査、パノラマ撮影と頭部計測撮影によるX線検査結果の分析、歯肉上および歯肉下の微生物プロファイリングを行った。歯の形態の異常、過剰な歯間、先天的な永久歯欠損と不正咬合が観察された。高いレベルのDFMTが観察され、全患者に歯肉炎が存在した。歯のプラークには歯周病に関連するバクテリアが検出された。患者の3人は、メイナードとウィルソンの分類によるタイプIの歯肉表現型に分類された。この患者グループで初めてトルコ鞍架橋が観察された。
結論:歯肉炎、齲歯、不正咬合の有病率が上昇していることから、ウィリアムズ症候群患者に対しては歯科的経過観察を含めた集学的アプローチを標準的治療法とすべきである。
【訳者注】
DMFTとは虫歯を経験した歯の数を意味する歯科学の用語。
「D」decayed(虫歯)、「M」missing(抜去された)、「F」filled(充填された)、「T」teeth(歯)という意味があり、今まで歯科治療を経験した歯の数を示す。
(2023年8月)
目次に戻る