ウィリアムズ症候群におけるサッカードの推定障害



Saccade dysmetria in Williams-Beuren syndrome.

van der Geest JN, Lagers-van Haselen GC, van Hagen JM, Govaerts LC, de Coo IF, de Zeeuw CI, Frens MA.
Department of Neuroscience, Erasmus University Rotterdam, P.O. Box 1738, Erasmus MC, DR 3000, Rotterdam, The Netherlands
Neuropsychologia. 2004; 42(5): 569-76.

遺伝子に起因する発達障害病であるウィリアムズ症候群の被験者は視空間処理能力が劣っていると記述された研究は数多い。視覚認知と眼球運動は密接に関連していることから、ウィリアムズ症候群被験者の視空間処理能力が劣っている原因はサッカード制御がうまくいかないことにあると仮説した。そこで赤外線眼球運動ビデオ記録装置(infrared video-oculography)を使って、27人のウィリアムズ症候群被験者と8人の健康な被験者に対して垂直・水平方向の目標に対するサッカード眼球運動を記録した。ウィリアムズ症候群のグループのサッカード幅は、個人間でも個人内でも大きくばらついている。また、彼らは目標を捕らえるのに1回以上の関連サッカードを必要とした。10人(22人のサブグループの中)のウィリアムズ症候群被験者は移動量が多すぎることや少なすぎる(両方を含むことも)サッカードの回数が多い。また、同時にウィリアムズ症候群のグループではサッカード移動量が左右で非対称であることが観測された。このようなサッカード制御における障害が存在することが正しい視空間情報処理を妨げている可能性があると考える


訳者注: (2004年1月)



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