ウィリアムズ症候群における深視力



Visual depth processing in Williams-Beuren syndrome.

Van der Geest JN, Lagers-van Haselen GC, van Hagen JM, Brenner E, Govaerts LC, de Coo IF, Frens MA.
Department of Neuroscience, Erasmus MC, PO Box 1738, 3000 DR, Rotterdam, The Netherlands, j.vandergeest@erasmusmc.nl.
Exp Brain Res. 2005 Jun 18; [Epub ahead of print]

ウィリアムズ症候群の患者は、階段を昇り降りするなどという視力と運動の協応が必要な運動活動においていろいろ問題がある。我々はこれらの問題が、深視力認知の障害にどの程度影響されているか、あるいは動きを制御するために深視力を利用でないという障害に関係しているかに関して検査を行った。33人のウィリアムズ症候群患者に対して片眼深視力と両眼深視力を測定した。さらに、手の位置に関する視覚的フィードバック情報の有無の条件ごとに手を目標に持っていく動きを記録した。ウィリアムズ症候群のグループを対照群の被験者と比較した。ウィリアムズ症候群の患者は全体処理を必要とする片眼視手がかりを認識することはできたが、49%は立体視ができなかった。平均的に、ウィリアムズ症候群の患者は手を置くべき場所に関する視覚的フィードバック情報が無い場合、手を目標より遠いほうに置く傾向があった。手が見える場合にはこの傾向は見られない。ウィリアムズ症候群の患者は対象物間の複雑な空間的位置関係から深度情報を得ることができる。しかし、視覚的なフィードバックが無い場合、手の動き気を制御する際に深度情報を利用できなという障害があるようにみえる。ウィリアムズ症候群の患者が階段を降りるという課題に問題があるのは、距離の判断ができないことが原因ではないと我々は判断している。

(2005年6月)



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