背側経路のモーション処理障害はウィリアムズ症候群においては成人まで持続する



Dorsal-stream motion processing deficits persist into adulthood in Williams syndrome.

Atkinson J, Braddick O, Rose FE, Searcy YM, Wattam-Bell J, Bellugi U.
Visual Development Unit, Department of Psychology, University College London, Gower Street, London WC1E 6BT, UK.
Neuropsychologia. 2005 Sep 13; [Epub ahead of print]

ウィリアムズ症候群のこどもに関するこれまでの研究において、形状ではなくモーションの干渉に対する閾値に関する成績が劣るということによって大脳皮質の背側経路機能に特定の障害があることが判明している。今回我々はウィリアムズ症候群におけるこの障害が、一過性の発達特徴になるのか、あるいは大脳構造における恒常的な側面なのかを調査した。モーションと形状の干渉に対する閾値について、16歳から42歳の年齢範囲にあるウィリアムズ症候群患者45人のグループと、正常な成人19人の対照群に対し調べた。ウィリアムズ症候群患者の間で干渉に対する閾値の値には大きなばらつきがあるものの、ウィリアムズ症候群グループは対照群と比較して全体的にみて成績が悪い。対照群と比較してウィリアムズ症候群のグループにおいては顕著なグループx閾値条件の交互作用がみられ、形状にくらべてモーションの干渉に対する成績が実質的かつ有意に低下していることが判明した。この結果は、モーションに対する障害はウィリアムズ症候群において永続的であることを示唆しており、背側経路の脆弱性に関するひとつの局面をしめす目印になる

(2005年9月)



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