循環器疾患 心疾患
町田繁樹
岩手医大 医 眼科
臨床眼科 ISSN:0370-5579:Vol.61, No.11, Page118-121 (2007.10.30)
心疾患は見逃すと致死的な転帰をとることがあり,的確な診断と治療が不可欠である。眼症状が初発となった場合,眼科医の果たす役割は非常に大きい。心疾患と眼疾患とのかかわりについて概説した。1)眼内に塞栓をきたす心疾患(心臓と眼球は血管を介して連続しているため,心臓からの栓子は眼球内の血管に塞栓を作り,網膜中心動脈閉塞などの原因となる):心手術と眼疾患,弁膜症と眼疾患,心臓粘膜腫と眼疾患,感染性心内膜炎と眼疾患,虚血性心疾患と眼疾患。2)心疾患の治療薬と眼疾患(循環器科での投薬が眼合併症を引き起こすことがある。視機能に重篤な障害をきたす合併症があり,投薬の中止を含め循環器科医との連携が必要である):アミオダロン,抗凝固薬,3)眼科疾患と心疾患(眼科での投薬が思わぬ循環器の合併症を引き起こすので注意が必要である):β遮断薬,散瞳薬,4)心疾患と眼疾患を伴う先天性疾患:Marfan症候群,Goldenhar症候群,Williams症候群。
(2008年12月)
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