異常な発達における錯視に対する正常な感受性:ウィリアムズ症候群からの証拠



Normal susceptibility to visual illusions in abnormal development: evidence from Williams syndrome.

Palomares M, Ogbonna C, Landau B, Egeth H.
Psychological and Brain Sciences, Johns Hopkins University, 3400 N Charles Street, Baltimore, MD 20874, USA. mcp@ski.org
Perception. 2009;38(2):186-99.

錯視の認知は包括的な情報を潜在的に統合する機能に関する重要な徴候である。錯視の多くは、隣接する視空間情報を無視できないために、長さ・大きさ・方向・明るさなどの判断を間違えることによって発生する。我々はウィリアムズ症候群(全体的視空間構成能力に重篤な障害がある希少遺伝子病)の人々も同様に錯視を誘発する状況に対して感受性があるかどうかを調査した。ウィリアムズ症候群の人々は大きさの識別に幾分かの障害があるが、正常な人と同程度に錯視の影響を受けることが判明した。この結果は、錯視が視覚情報を潜在的に統合する機能に対する脳のバイアスの影響を受けていることを示す証拠であり、物体間の位置関係を表現することに明らかな障害がある集団にもあてはまる。さらに、この結果は空間情報の潜在的および顕在的な統合機能が異常な発達において影響を受けやすいことも示している。

(2009年5月)



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