ウィリアムズ症候群に合併する円錐角膜:初めての報告
Keratoconus associated with Williams-Beuren syndrome: First case reports.
Pinsard L, Touboul D, Vu Y, Lacombe D, Leger F, Colin J.
Ophthalmology Department, Keratoconus National Reference Center (CNRK), Bordeaux Hospital, Bordeaux University.
Ophthalmic Genet. 2010 Dec;31(4):252-6.
目的:
円錐角膜がウィリアムズ症候群と共存している注目すべき2臨床症例を報告する。ウィリアムズ症候群はエラスチン遺伝子を含む染色体7q11.23領域の隣接遺伝子の微少欠失を原因とする全身性発達異常症として知られている。円錐角膜は現在遺伝子起因が疑われているが、責任遺伝子は明らかになっていない。
手法:
2症例の円錐角膜とウィリアムズ症候群を記述する。円錐角膜のリスク要因は両親への問診によって調査を行い、ウィリアムズ症候群はFISH法で確定診断を行なった。患者1のレシーバー角膜ボタン(receiver corneal button)に対してオルセイン(Orcein:エラスチンを特異的に染色する)による組織分析を実施した。結果:両病態とも発生頻度が少ないこと、円錐角膜を発症させるその他のリスク要因が存在しないことから、遺伝子的リンクの可能性を考えた。これらの合併についてはこれまでの文献には記述されていない。最初の組織分析では角膜のエラスチンに異常は認められないため、それ以外の遺伝子が原因である可能性が考えられる。
結論:
本論分はこの合併に関する初めての報告である。この欠失に関しては、生理病理学的あるいは遺伝子的なリンクの可能性を追求するためにさらに組織的かつ細胞遺伝学的な分析を行なう必要がある。
(2010年11月)
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