ウィリアムズ症候群:眼科的検査と全身症状のレビュー
Williams Syndrome: Ophthalmological Examination and Review of Systemic Manifestations.
Weber SL, Souza RB, Ribeiro LG, Tavares MF, Goldchmit M.
J Pediatr Ophthalmol Strabismus. 2014 Apr 30:1-5.
目的:
ウィリアムズ症候群患者における眼科的症状と合併症の有病率とその重症度及び疫学的データの評価を行う。
手法:
著者らはウィリアムズ症候群を有していると臨床的に診断され、FISH法で確定診断された30人の患者を対象に研究を行った。患者の自然歴には、性別、年齢、人種、教育レベル、既往症、手術などが含まれる。眼科的検査には最高矯正視力、動的および静的屈折、外眼運動性検査(extraocular motility test)、立体視検査(Titmus and Lang)、直接及び関節眼底検査を含む。
結果:
30人の患者を研究対照とした。平均年齢は14.5±1.38歳(範囲:7歳〜26歳)である。患者の50%が男性で50%が女性である。検査を行なった子どものうち、77%に屈折異常がある。遠視と乱視がそれぞれ患者の67%と20%にみられ、近視は7%であった。弱視が認められたのは一例だけである。外面の検査では、子どもの23%に眼角贅皮が認められ、生体顕微鏡検査では星状虹彩が3人にみられた。 11人の患者(36.6%)に測定可能な斜視があり、9人(82%)が内斜視、2人(18%)は外斜視であった。43%の患者は両眼視に異常があった。眼底検査によって患者の27%に動静脈の蛇行がみられた。
結論:
ウィリアムズ症候群は稀少であり、治療成果があがりやすい表現型や疾患を複数有している。学際的な臨床治療が肝要であり、一部の症例には手術を必要とする。
(2014年5月)
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