ウィリアムズ症候群に合併する前眼部奇形:症例報告と文献レビュー
Anterior segment dysgenesis associated with Williams-Beuren syndrome: a casereport and review of the literature.
Todorova MG(1), Grieshaber MC, Camara RJ, Miny P, Palmowski-Wolfe AM.
(1)Department of Ophthalmology, University of Basel, Mittlere Strasse 91, Basel
CH-4031, Switzerland. margarita.todorova@usb.ch.
BMC Ophthalmol. 2014 May 21;14(1):70. doi: 10.1186/1471-2415-14-70.
背景:
ウィリアムズ症候群は軽度の精神遅滞、特異的な認知神経科学的プロフィール、乳児期の高カルシウム血症、特徴的な顔貌、循環器疾患を特徴とする。我々はウィリアムズ症候群の臨床的表現型を有していて、片側性前眼部奇形と両側性の硬口蓋裂、軟口蓋列を合併する女児に関する眼科、超音波、遺伝子の徹底的な評価について報告する。これらの表現型特徴は微小欠失に含まれている遺伝子のハプロ不全とは関連していない。
症例症状:
満期出産で生まれた女児は初期健診で右角膜に濁りが見られた。超音波生態顕微鏡では前眼房の構造を識別することが困難であり、不透明角膜から虹彩にかけて重度の癒着があり、角膜−虹彩−水晶体がレムナント水晶体に接合しており、これらの所見はPeters奇形に符合する。FISH法を含む遺伝子解析の結果、典型的なウィリアムズ症候群と関係する7q11.23の責任領域の欠失が確認された。マイクロサテライト分析の結果、およそ2.36Mbの欠失が示された。
結論:
ウィリアムズ症候群の診断は7q11.23領域の欠失によって行われる。片側性小眼球症や前眼部奇形のような特有の兆候は欠失が原因だとは考えられない。後者を支持する状況としては、症状が片側性であることと、同症例に匹敵する、あるいは顕微鏡的に同じ大きさの欠失を有する数多くの患者が同じ症状を示さないという事実が挙げられる。
(2014年6月)
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