ウィリアムズ症候群とその認知プロフィール:眼球運動の重要性



Williams syndrome and its cognitive profile: the importance of eye movements.

Van Herwegen J(1).
Author information:
(1)Department of Psychology, Kingston University London, Surrey, UK.
Psychol Res Behav Manag. 2015 Jun 3;

7番染色体の長腕内の欠失を原因とする希少な神経発達疾患であるウィリアムズ症候群の患者は、言語や顔認識課題には比較的良い成績を示す一方、視空間課題や数課題は良くないという不均等な認知プロフィールを示すことが多い。最近の研究によれば、ウィリアムズ症候群にみられるこのような特別な認知プロフィールは、乳児期以降の脳の発達に影響を与えると同時に相互作用を及ぼしている非典型的な発達プロセスの結果であることが示されている。言語、顔認識処理、数、視空間などに関する研究成果の事例を利用して、この総説では視線追跡と発達に関する研究から得られている証拠を評価し、サッケードの企図や実行に関する能力などのドメイン全般的な処理やこのドメイン特有の表出結果の発達に関する影響などに関して議論する。ウィリアムズ症候群患者の眼球運動に関してはさらなる研究が必要ではあるが、認知発達に対する眼球運動の重要性はこの患者集団が持つ認知機能を向上させるのに必要な治療介入経路の可能性を示唆している。

(2015年6月)



目次に戻る