先天的導涙異常及びそれの症候群や全身性疾患との合併に関する最新情報:大規模なレビュー
Updates on congenital lacrimal drainage anomalies and their association with syndromes and systemic disorders: A major review.
Ali MJ(1).
Author information:
(1)Govindram Seksaria Institute of Dacryology, L.V. Prasad Eye Institute, India. Electronic address: drjaved007@gmail.com.
Ann Anat. 2020 Oct 21:151613. doi: 10.1016/j.aanat.2020.151613. Online ahead of print.
背景:症候性及び非症候性全身疾患に合併する先天的導涙異常のレビューと最新情報を得る。
手法:著者らは先天的導涙異常に関して英語で発行されたすべての論文をPubMedで検索した。本レビューは臨床症候群や非症候性全身性疾患に合併する先天的導涙異常について書かれた2017年1月から2020年8月の間の全症例に関する最新情報を提供する。この最新情報は、筆者らが報告した前回の大規模レビュー(1933-2016)以降に公開されたすべての論文の読者を評価ことを目的とする。次に特定の症候群や全身性疾患の患者をレビューする。一次選考後の論文から得られた関連相互参照も提供する。レビューしたデータには、症候群の描写、全身性疾患の詳細、人口動態、導涙の症状、管理、予後などが含まれる。
結果:ここに重要な最新情報を掲載した。11種類の新たな症候群が症候群合併リストに追加されたが、そのうちの3種類は「疑い例」である。新たな症候群のうち、3種類(フェイス症候群、ウィリアムズ症候群、Peter's Plus症候群)については先天的導涙異常の詳細を深いレベルまで記載した。先天的導涙異常を合併するいくつかの非症候性全身疾患についても光をあてた。その中でも特に重要な疾患は、側吻(proboscis lateralis)、顔面重複奇形(diprosopus dirrhinus)、脳性マヒ、N-グリカナーゼ関連疾患(NGLY-1 related disorders)である。家族性症状が報告されているが、ほとんどの異常において遺伝パターンは明確になっていない。これらの患者に対する外科的課題は明確であり、必要に応じた詳細イメージなどの徹底的な術前検討が良い術後成果を生む。症候性あるいは非症候性全身性疾患への合併のまとめを反映した2表を最新化してあり、これを見れば一目で詳細を把握できる。
結論:症候性あるいは非症候性全身性疾患に先天的導涙異常が合併することは非常に稀なケースとは言えない。頭蓋顔面症候群の診断を受けたら、内科医に対して先天的導涙異常の診断を行うように促すべきである。同時に、複数の先天的導涙異常診断が見られた場合、試験者は全身性疾患合併の可能性に注意を払うべきである。
(2020年10月)
目次に戻る