ウィリアムズ症候群の子どもの睡眠攪乱に関連するメラトニンとコルチゾルの分泌異常
Abnormal secretion of melatonin and cortisol in relation to sleep disturbances in children with Williams syndrome.
Sniecinska-Cooper AM(1), Iles RK(2), Butler SA(1), Jones H(1), Bayford R(3), Dimitriou D(4).
Author information:
(1)School of Science and Technology, Middlesex University, London, UK.
(2)Eric Leonard Kruse Foundation for Health Research, Glasgow, UK.
(3)School of Science and Technology, Middlesex University, London, UK; Department of Electronic and Electrical Engineering, University College London, London, UK.
(4)Department of Psychology and Human Development, Institute of Education, University of London, London, UK. Electronic address: d.dimitriou@ioe.ac.uk.1
Sleep Med. 2014 Sep 19. pii: S1389-9457(14)00384-0.
目的:
ウィリアムズ症候群患者においては睡眠攪乱の発生率が高いことが報告されているが、その基礎をなす原因はまだ特定されていない。メラトニンとコルチゾルのレベルは24時間周期のリズムを示し、睡眠と覚醒のパターンに影響を与えて調節していることが知られている。本研究はこれら2種類の内分泌マーカーのレベルを調査し、ウィリアムズ症候群の子どもにおける睡眠パターンとの間の関連を探索することである。
手法:
ウィリアムズ症候群の子ども25人と年齢及び性別を一致させた正常に発達した比較対象の子ども27人を募集した。午後4時から6時、通常の就寝時刻、起床後の3つの時点の唾液をすべてのこどもから集めた。唾液中のメラトニンとコルチゾルのレベルを特定の酵素結合免疫測定法で分析した。睡眠パターンはアクティグラフィーと子供向け睡眠習調査票(the Children's Sleep Habit Questionnaire)を用いて調べた。
結果:
ウィリアムズ症候群のグループは対照群と比較して、就寝時におけるコルチゾルの低下が少ないことと、メラトニンの増加が顕著にみられないことが確認された。さらに、彼らは就寝前のコルチゾルレベルが有意に高いことが確認された。
結論:
就寝時のコルチゾル増加と就寝前のメラトニンレベルの顕著な増加がみられない点は睡眠攪乱(ウィリアムズ症候群の子どもで観察される入眠が遅いこと等)の発生に何らかの役割を果たしている可能性がある。両マーカーが共に我々の24時間周期のリズムや睡眠/覚醒サイクルに重要な役割を果たしていることから、多機能分析法を用いて睡眠に関して調査を行うことが必要である。
(2014年12月)
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