ウィリアムズ症候群患者の両親からの報告に基づく睡眠薬物療法の利用と効果
Use and Effectiveness of Sleep Medications by Parent Report in Individuals with Williams Syndrome.
Martens MA(1), Seyfer DL, Andridge RR, Coury DL.
Author information:
(1)*The Nisonger Center, The Ohio State University, Columbus, OH; †Department of Psychology, The Ohio State University at Newark, Newark, OH; ‡Department of Developmental-Behavioral Pediatrics, Sanford Children's Specialty Clinic, Sioux Falls, SD; §Division of Biostatistics, College of Public Health, The Ohio State University, Columbus, OH; ?Department of Developmental Behavioral Pediatrics, Nationwide Children's Hospital, Columbus, OH.
J Dev Behav Pediatr. 2017 Sep 19. doi: 10.1097/DBP.0000000000000503. [Epub ahead of print]
目的:
睡眠障害はウィリアムズ症候群において共通的であり、睡眠障害は注意や学習や行動に重大な負の影響を及ぼす。ウィリアムズ症候群患者に対する睡眠導入剤の使用は幅広い研究がなされていない。本研究の目的は両親への調査を基に大規模なウィリアムズ症候群患者における睡眠薬物療法の使用とその効果を評価する。
手法:
睡眠薬物療法の使用とその効果の調査はウィリアムズ症候群協会の会員513家族(総数2846家族))が記入した。調査はオンラインで行い、投薬開始年齢、効果の程度(有用、いくぶん有用、効果がない)、副作用を記入してもらった。
結果:
130家族(25%)が、ウィリアムズ症候群である家族の一員が睡眠を手助けするために薬物療法を受けていた。寝入るために使用する薬剤として最も多く報告されたのはメラトニンであり、両親の91%がウィリアムズ症候群の子どもに対して、その薬が「有用」または「いくぶん有用」だったと報告している。メラトニンを投与していると報告した家族からの副作用の報告はゼロではないがごくわずかである。
結論:
予備研究としての両親記入の調査結果から、睡眠障害があるウィリアムズ症候群患者に対してメラトニンは有用な効果があることをしめした。この知見はメラトニン投薬に関してさらに研究するとともに、行動的睡眠補助や睡眠障害が認知や行動に負の影響を与えている証拠を探すことの必要性も示唆している。
(2017年10月)
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