ウイリアムス症候群とキアリ奇形T型の関連性について




Association of Chiari I Malformation and Williams Syndrome

Barbara R. Pober MD*, and James J. Filiano MD+
* Department of Genetics, Yale University School of Medicine; New Heaven,Connecticut
+ Department of Neurology; Chirldren's Hospital; Boston, Massachusetts
Pediatric Neurology Vol 12 No. 1 1995 P84-88


キアリ奇形T型に伴う神経学的症状を持つ二人のウィリアムス症候群患者の症例で ある。患者は二人ともウィリアムス症候群に見られる良く知られた医学的問題を持つ。加 えて、患者1は26才で頭痛、複視、耳鳴りが現れた。神経学的検査では、間欠的な眼振、 反射亢進が見られた。MRIではキアリ奇形T型が認められた。その後の外科手術により 神経学的症状は軽減した。患者2は2才の時、反射亢進とかかとの腱の拘縮以外には神経 学的には異常がなかった。10才の時、全身の拘縮が起こり、手の筋力低下と衰弱、反射亢 進が起こった。MRIではキアリ奇形T型が認められた。患者は二人とも、かなりの嚥下 困難と頸椎融合がレントゲンで認められた。MRIのよる正中矢状面での頭蓋内計測の分 析が行われた。

この分析によると、同年齢の比較対照群に比べて、ウィリアムス症候群では小脳は 標準の大きさであるのに、後頭蓋窩だけが縮小している。この後頭蓋窩の容積と脳内容と のミスマッチがウィリアムス症候群の患者にキアリ奇形T型が起こる危険性を高くしてい るのかもしれない。


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(1997年9月)



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