ウイリアムス症候群の特異な神経学的反応の特徴と新小脳半球が保たれていることとの関連



Specific neurobehavioral profile of Williams' syndrome is associated with neocerebellar hemispheric preservation

P.P.Wang; J.R.Hesselink; T.L.Jernigan; S.Doherty; U.Bellugi
The Laboratory for Cognitive Neuroscience,
Salk Institute for Biological Studies, La Jolla CA
NEUROLOGY 42 October 1992 : page 1999-2002



これまでの研究で、ウィリアムス症候群では大脳半球の容量が小さいにもかかわら ず、新小脳虫部が拡張していることが明らかになった。まず、大脳半球内組織の容積につ いての研究を提示する。私たちはMRIを使って、WS症例と、同年齢、同程度のIQと 大脳容積を持つダウン症候群(DS)症例、同年齢の正常比較対照群の新小脳扁桃を特定し計 測した。

WS症例の小脳扁桃は比較対照群と同じ大きさで、DS症例よりも大きかった。大 脳容積との比率で見ると、WSの扁桃は対照群の扁桃よりも大きかった。これらの結果は、 WSでは一般的認知能力が損なわれているにもかかわらず、言語的情緒的には驚くほど神 経学的に保たれていることと一致する。彼らは、自閉症に見られる、会話や情緒の障害を もたらす新小脳虫部の形成不全とは全く異なる。加えて、WSの二症例はキアリ奇形1型 を呈したが、WSの平均的な扁桃の位置は、比較対照群と異なってはいなかった。

(1997年9月)



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