ウイリアムス症候群の認知的、適応能力的、行動的特徴



ウイリアムス症候群の子供たちは、言語能力は比較的よく維持されている言われています が、言語能力にもいろいろな側面があり、見方によっては必ずしも言語能力が維持されて いるとは言えないこともあるようです。

(1997年12月)

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Cognitive, adaptive, and behavioral characteristics of Williams syndrome.

Greer MK, Brown FR 3rd, Pai GS, Choudry SH, Klein AJ
Department of Pediatrics, Medical University of South Carolina,
Charleston 29425-3310, USA.
Am J Med Genet 1997 Sep 19;74(5):521-525

ウイリアムス症候群は、いろいろなレベルの認知的・行動的パターンに関連した遺伝子的 障害である。本研究は、ウイリアムス症候群の子供達の長所・短所をさらに明らかにした。 ウイリアムス症候群を特徴付ける症状を持った15人の被験者に対して、子供向け Stanford-Binet 知能テスト(第4版)・Vineland 適応行動テスト(インタビュー版)・子供 向け行動チェックリストを使って評価を行った。認知能力の範囲は、軽度の精神発達遅滞 から平均的レベルであり、言語を使わない量に関する推論の分野で比較的優れていた。適 応能力は遅れているが、コミュニケーションと社会性については優れている。顕著な行動 的・臨床的な注意欠陥、境界レベルの社会的・思考的障害、かなり低レベルの社交的接触 や構造的活動が見られた。これまでのウイリアムス症候群に関する数多くの発見とは違っ て、言語能力と短期記憶能力が弱点であった。ウイリアムス症候群の子供たちは、言語能 力と非言語能力が均等であるような平均的な知的プロフィールを持った発達を見せること があるかも知れない。結論として、ウイリアムス症候群では、認知的、適応能力的、行動 的パターンの多様性が見られることがある。そのため、単一の認知的、行動的表現形を仮 定することはできない。

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