ウイリアムス症候群を持つ人の意味解釈能力は通常とは変わっているのか?
オンライン課題を使った語彙解析機構に関する事象。



Do individuals with Williams syndrome have bizarre semantics? Evidence for lexical organization using an on-line task.

Tyler LK; Karmiloff-Smith A; Voice JK; Stevens T; Grant J; Udwin O; Davies M; Howlin P
Centre for Speech and Language, Birkbeck College,London. ubjta39@.ccs.bbk.ac.uk
Cortex (ITALY) Sep 1997, 33 (3) p515-27, ISSN 0010-9452
Languages: ENGLISH Document type: JOURNAL ARTICLE

神経発達障害を伴うウイリアムス症候群は認知障害が重いにもかかわらず正常な言語機能 が残っている、という主張に関して多くの議論が行われている。WSの言語の特定の機能に 関する詳しい研究が行われるにつれて、言語モジュールが維持されているという表現に疑 問が出始めている。多くの場合WSの語彙スコアがすばらしいにもかかわらず、何人かの研 究者はWSの意味解釈能力が正常ではないと指摘している。これまでの研究はすべて、メタ 言語処理を必要とするオフライン実験に基づいている。これは、認知障害を持つ人のテス ト結果に明らかに影響を及ぼす。我々は、WSの人の語彙集の意味構造を探るために、メタ 言語処理の必要性を最小限にする意味プライミング(semantic priming)課題を使ったオン ライン実験を実施した。WSの被験者達は、正常な対照被験者と同じような 分類/範疇及び 主題/機能プライミング効果を示した。言語の理解と表出の間の相違に関して実験結果が 考察されている。同時に、意味的記憶と意味情報への自動的なアクセスはWSにおいて正常 であるにもかかわらず、文章理解の際に意味情報をうまく適用できないことがあるという 事実についても議論されている。このような相違を浮かび上がらせるためにオンライン課 題が大切であることが強調されている。

訳者注

(1998年1月)

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