成人のウイリアムス症候群

社会的・感情的・行動的障害に関する事前調査

Adults with Williams syndrome.
Preliminary study of social, emotional and behavioural difficulties.

Davies M, Udwin O, Howlin P
Psychology Department, St George's Hospital Medical School, London.
Br J Psychiatry 1998 Mar;172:273-276

背景:
近年、生物学的に説明が付く特定の知的障害を引き起こす病気に関連した、行動学的・ 心理学的特色の特徴的なパターンに関する研究への関心が急増している。本研究では、 ウイリアムス症候群の成人にもこれが見られるかどうかを調査する。
方法:
19才から39才9ヶ月のウイリアムス症候群の成人70人に関して、彼らの両親や 他の保護者を調査対象として社会的・感情的・行動的特徴の面接調査が行われた。
結果:
この成人達は、高い確率で行動的・感情的障害があることが報告された。特に、貧弱 な社会的関係・度を越したなれなれしさ・社会的抑制ができないこと・特定の物や出 来事への没頭やこだわり・強い不安や気の散りやすさ、等が指摘されている。
結論:
これは、ウイリアムス症候群の成人が持つ特定の行動的・性格的な特徴あるパターン とそれに関連する障害の存在に関する予備的な知見である。また同時に、子供のころ から頻繁に精神医学分野の専門家による治療の必要性も示している。臨床的訓練の必 要性についても検討する。
(1998年6月)



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