ウィリアムズ症候群の子どもにおける全体的/部分的音楽認知
Global and local music perception in children with Williams syndrome.
Deruelle C, Schon D, Rondan C, Mancini J.
1 Mediterranean Institute of Cognitive Neurosciences, CNRS, Marseille, France,
2 Laboratory of Psychology and Neurocognition, CNRS, Grenoble, France
3 Department of Pediatric Neurology, University Hospital La Timone, France.
Neuroreport. 2005 Apr 25;16(6):631-4.
音楽処理は全体的要素の理解と部分的要素の理解に分解できる。この全体/部分の乖離は音調曲線を乱した(contour-violated)メロディと音程を乱した(interval-violated)メロディの処理方法を調べることで確認できる。16人のウィリアムズ症候群の子どもと16人の対照群の子どもに対して同異課題を実施してその結果を比較した。対照群の参加者は音程を乱した場合に比べて音調曲線を乱した場合の相違のほうをより正確に検知した。一方でウィリアムズ症候群の患者は両条件で同程度の結果が得られた。この発見は、正常に発達した子どもにおいて初期段階の認知においては「全体」のほうが先行する可能性を示唆している。一方で、ウィリアムズ症候群の人々においては、このような「全体」の先行は見られない。このデータはウィリアムズ症候群患者の変則的な認知プロフィールの一部として検討された。
(2005年4月)
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